良いものをさらに良く。
海外のハイエンドオーディオを取り扱う株式会社ナスペック様。この岐阜の会社が扱うオーディオ製品はとにかく洗練されている。
かっこいい。
陳腐で稚拙な表現ではあるが。
今回はコンペを経て受注できたという経緯もあり、当社にとって思い入れもある自信作ができあがった。
コンペの際に最も気を使ったことは「要望に応える+α」である。
製品自体のデザインが優れているからといって、製品を引き立てるだけのデザインでは当たり前の最低ライン。
サイト自体の使い易さや、運営のし易さのみを追求するのも違う気がする。
ナスペックさんという会社の審美眼や、製品選びの思想を体現したようなサイトにしたいと思った。
オーディオマニアの知り合いに取材
オーディオの世界はディープだ。
コンペのオリエンテーションでお話しを伺ったが
その多様性とディープな世界観は
私のような素人が一朝一夕の座学で捉えられるものではない。
ターゲットユーザーの気持ちや思考の骨格さえも、把握できそうになかった。
そこで最初に着手したのがオーディオマニアへの「取材」である。
この取材で得られた情報や空気感が
今回のサイトの核となっている。
快く話を聞かせてくれた知り合いには、改めてここで感謝したい。
大量のコンテンツを整理すること
次に着手したことは、全体を俯瞰し情報を整理すること。
リニューアル前のサイトは膨大かつ有益な製品情報がコーポーレートサイトに格納されていた。
もちろん今まで使い慣れているユーザーにとっては全く問題ないが、今回のミッションの一つは「オーディオ初心者をファン化し、上級者も満足できる」こと。
そこで考えたことが「製品サイト」と「コーポーレートサイト」の分離。
そして製品サイトにおいては「初心者」と「上級者」に向けた情報の棲み分け。
さらに製品情報のページでは下へ読み進めるほど、情報の専門性が高く、深くなるように設計した。
「初心者」は入りやすく、「上級者」にも十分満足してもらえると思う。
機能や情報の集合体を操作する楽しさ
オーディオ機器には様々な機能が凝縮され、それらを操作するインターフェースはとても優れている。
今回のサイト「デザインのテーマ」はまさにそこ。
膨大な情報を見たり、探したりする行為自体に満足し、上質さを感じて欲しいと思って作った。
色、書体、文字間、行間、カラム幅等、見易さと美しさを担保できていると思う。
そしてその機能の実現と構造の作り込み。
よくできたと思う。